あのね、前にこんなことがあったわよ。
なんで今頃話すの?
だってね、そのときは驚いたのかな、話す気にもならなかったんだもの。
りりちゃん?
もしかしてもう知ってる?
ははは~
ふーー
たんぽぽの綿毛を吹きながら
そよそよ風に
りりの髪が梳かされている。
種はキラキラ光って丘を登る
光線こんなに強かったっけ・・・?
なんか紫色が見えるけど・・・
いつもその時に話さないで抑えちゃうんだね。
そんなことばかりで
結局はそれでやさしい人を演じることになる
なにしても何言っても許してくれるみたいな・・・
物わかりがいいとかね。
それも一理あるよ。
そのひとはそれを言わないとあるいはそうしないと救われないからそうしているんだろうから。
あら、りりちゃん、めずらしく長いセンテンスで話すじゃない?
えへへ、たまにはね!
りりはにっこりして肩をすぼめる。
私の役目はいつもそれなのよ。
知ってた?私の境界線がどこにあるか。
わーいわーい!奇特な役割。
それは魔法なんだよ。
最近は傍にいるだけでそうなるでしょ?
ところでさ、最初に話そうとしたことはそれじゃないんじゃない?
あ、そうそう、そうでした。でもそれと繋がっているかもよ!!?
かもね~~
それはね、ある日の晩のこと・・・
飛んできたんだよね。
うふふ、何が何が?
それは鉄板みたいな板になってきた。
胸と顔を覆うくらいの大きさで真四角だったので「鉄板」って感じ。
でもね、その鉄板には顔があった。
顔の中身のパーツは
睨みつけるようにつりあがってる(笑)
あはは、絵に描けそうよ!
なんで笑うの?
だってやっぱり話すとおかしいじゃない?
変な話だわ。
でも気になっているんでしょ?
うーん、そうだね。
鉄板は飛んできて
私に向かってきて
私を押し付け始めた。
あっという間の出来事だったけど、その時は意外なほど私は冷静(霊性)だったわね。
だから話さなかったのかも・・・?
それでそれで・・・ワクワク♡
りりちゃん?もしかして楽しんでる?
えへへ、やっぱ知ってても聞くと面白い!
全くもう~!
でね、押さえつけられてその顔が目の前にあるんだけど
不思議と冷静に
何ですか?とかなんとか訊ねてるんだよね、私。
で、いっそう強く押さえつけられた。
強烈な意図も感じたけど全く的はずれでもあった。
何で来たの?って純粋な感覚になった。
それでも居るならしかたないからそのままでいたの。
なんか文句があるのかってね。
その鉄板さん本当に見当違いなんだよね。
それでも押さえつけてくる。
りりも身を乗り出してくる・・・なんか光ってるなぁ。
遂に胸が苦しくて息が絶えるかも・・・とかくらいまでになってきた。
りりも顔を近づけてくる・・・なんかいい匂いがするなぁ・・お花だ。花びらがゆっくり舞っている。
でも私の意思は変わりがない。変えようがないんだよ。
何かを言いにきてるのかもしれないけど
それが見当違いなら意味不明のまま
無限大になるからね。
でも苦しい!
ってところでね。
うんうん、それで?
来たんでしょ来たんでしょ??
はーん、りりちゃんの予想は的を射てるからな~。
そうよ!
光の粒々だったよ。小さいけど強力でパワー全開だった。
天使だったよ。それを飛ばしてきてくれたのは。
そうなの、天使だったわ!
天使の魔法の杖でエイッ!
だね(笑)
そうそうここは笑うとこだよ(笑)
キラキラ星みたいな・・・そうだね、プレアデス星団みたいだったなぁ
サーっときて
鉄板の角に当たると
当たるそばからその四角の角が崩れて細かい砂になってなくなっていった。
粉末の金粉みたいにサラサラと砕けて消えた。
文字通り光にかえっていったんだね。
うっわーい!!きれいだろうなぁ!
その金の粉ほしいな~
それでもって砂のお城作るの!
わーい!
そうですか・・・そうとは知らず何の疑問もなく見送ってしまったわよ・・・