2020-10-23

扉の向こう

 

死の扉の前は意外にも穏やかだ


信じたものが的外れだったと気づくとき


もはや天に入る前の地獄が広がる


小さく溜息をつこうが

大声で嘆こうが

誰も気に留めない


打ちのめされて転がる肢体をもてあまし


早く扉を開けてくれと叫んでも


開いた扉の先は


再び始まる此の世なのです


悟りの境地は遠く

土の感触だけが頼り






2020-10-02

満月を仰ぐ

 いつもより月を愛でる人が多い


意味するところは不安、期待、希望、絶望、落胆、消沈、屈服

その上に立つ祈り


正義を導くミカエルは還ってくる

不確かさを楽しむ感覚は有効だ

何事も大いなるものの上にある


人は小さな
存在

遠い星の人々も同じこと


訪れはいつになるのかまだわからない