2026-08-26

観世音菩薩の眼

 

ただ観ていろ


そう言われ続けた


そんな


ならばなぜ私は今ここに居るのだ


何か成すべき使命はないのか


なぜこの世に使わされたのか


ただお前が望んだだけだろう

答えはそれだけ


お前はただ観ていろと


その意味は観世音菩薩が知っているようだ




2026-08-25

満月の鏡

 8月の満月


とある者には秘密があった


人に聞かせてもなんだそんなこと

と思われるようなことなのだが


本人にとっては人生のすべてにそれが暗く照らしているのだ


試験に落ちた


それだけだった


実によくある話だ


それでもその者にとっては一大事

そんなことただの一度たりともは許されない

何年経っても

10年20年30年そして50年


還暦を過ぎてもまだまだ癒えない

その者の根拠のないプライドの瑕


そして適当な人間に向かって毒を吐き続けている


・・・

意外にもそんな人間は多い


顧みる勇気がない

認める潔さもない

だから失敗に対するリベンジを仕掛けようとしない


甘んじて50年

どんなに金持ちと一緒になろうと

子供が一度も試験に落ちたことがなくても

いやそれだけにその者はかえってますます

誰にも知られたくない自身の能力のなさ

情けなさ

ひ弱さ

そして人を傷つけずにはいられない卑劣さが虫がわくように増殖し続け


月がそのすべてを映し出しその者の全身を覆い尽くす



それでもその者は悟る術もなくもがき苦しむ

周りは訝しげにただながめるだけ






2026-06-23

通過点

 

夏至のセレモニー


通過点


いつだって通過点


トンネルを潜るように感じたとき

トンネルの先の出口が光って見えるとき


ここだ


と思う


しかし

それは小さな通過点




小さき者よ

溺れそうな広い宇宙の波動の波間に浮く

さみしき者よ


眺めよと命じられた我は

ただ見つめているだけ