2021-02-19

りりの庭~新しい住人~その2

 


真っ白な髪のおばーさんになりたい


するとどうなるのか


聖なるかな


光は思いのままやって来る


あらゆる高次のエネルギーとつながる


そしてこの庭にも


そしてその星にも


燦々と降り注ぐであろう



・・・・


ふーーーん


小さなりりはへんに納得の様子

そうだったのかぁーーーー


りりも白くなりたいなぁ


何を言うか


そなたは幼女

そのままでよい


そしてまたあの少女も

豊かな巻き毛・・・そのままでよい


そうしてなれの果てのわたしを見るがよい



え?

なれの果て?


おばーさん

もしかして・・・?


なれの果てのりりちゃん?!


そんなに目をまるくしなくてもいいではないか

ふん


成長すれば誰でもこうなる



聖なるかな


青い光から白い光


まずはここに降らせよう


みな用意はいいかね?


バクテリアじーさんがひょっこり現れた


ばーさん仲良くしようや


ふふん

じーさんの相手などできないよ

お前さんこそ出る幕を間違えなさんなよ


へい

そりゃあもう!

いつだってゴミ箱持って現れますじゃ


それからそれから

辺り一面に

星屑のような

キラキラが

ひらひら花びらのように落ちてきた


庭に積もる

積もる


雪のように

花びらのように


少年の眼も輝く


樹々に積もり

池に漂う


そうして染み渡る


不思議なエネルギー



2021-02-09

りりの庭~新しい住人 その1

 

りりちゃんは幼い少女?

りりちゃんは10代の少女?



りりちゃんは白髪ばーちゃん?


あら?


白髪のおばばがいるね・・・


いつのまに「ここ」の住人になったのんだろう


ふふん、オパール池は私の顔を映す

グレイヘアはトレードマーク


髪は長く黒が少し混じったグレイヘア


ああ、早く真っ白にならんかのぅ・・・


え?

真っ白になりたいといっているのかな?


めずらしいねぇ。普通は黒くなりたいとか若くなりたいとか考えてんじゃないのかな?


ねぇ


おばーさん、小さなりりが言う


どうして真っ白になりたいの?


どうしてって

わからんのか?「ここ」にいるのに?


ここに居る人は真っ白な髪になりたいの?


いやいや、人によるのだよ

わたしゃもう真っ白になりたいのだよ


そうすればいろいろできるのだよ


へーー?!

真っ白な髪だといろいろできるの?



つづく

2021-02-07

りりの庭~オパールの池~その3

 

赤眼の白大蛇は赤眼のたったちゃんということで・・・

やっぱり「たったちゃん」なのだな


それと昔バスに乗るのを手伝ってあげたバクテリアのじーちゃんがいたっけな


グレイのお肌で丸裸のシワシワじーちゃんなんだ

髪はなくて宇宙人かもってまちがわれそうな風貌だ


それで虹のキラキラをふりかけてあげるととても喜ぶんだ

そしていらないものをさっさと掃き出したり持って行ってくれたりする


低級霊のふうでそうでなくなった

改心した偉いバクテリアじーさんなのだ



ところであの青年(少年)はどうしているだろうか・・・


ねぇいつまでもいていいよ

でも退屈じゃない?


うん・・・退屈じゃない


どっかに行きたくないの?


うん・・・どっかにも行っているよ


え?

どうみてもそうは思えないね


どうやってどっかに行っているのだろう?


りりちゃん りりちゃんは青年(少年)がどっかにいくところ見たことあるの?


ふふん

早く呼んでよね

ちょっとふくれ面をしながら少女のりりは

うーーーーーんそうだね

「ここにいる青年(少年)」はこのまま木陰にいるけどね


―彼は彼であって彼のすべてではない―


そっか


それで別の彼は何しているのかしらね


彼はこの庭の木陰でぼんやりしたり眠ったり、そしてオパールの池に足を浸して癒やしたり時には虹のオパール色の水中を泳いだりしている


そして別次元の彼はすべてをかけて宇宙空間を舞っている


まるでアスリートのように


ふーん

全身全霊といっても一部がここにいることも必要だったりするんだね

そこから池を覗くとけっこうな眺めでいろいろ透けて見えるしね


りりちゃん 彼に言ってあげて


『いつまでも好きなだけ「ここ」にいていいよ』って


彼の白い横顔が微笑んだ

木陰は時々風に揺れて根元に座り込んだ青年(少年)に

柔らかな光が注がれ

その光のたまが彼の肩や髪をゆらゆら巡る




2021-02-02

りりの庭~オパールの池~その2

 

今日も朝日が池に注ぐ


オパールカラーが広がっては小さく波打つ


池の縁には様々な苔が蒸してまあるくたれ込んでいる


岩肌に輝く滴の数々


そうやって流れ込む水の滴は少年を癒やし続ける




いつまで居てもいいよ

好きなだけ「ここ」に


それでもやがて去ると思われた少年はいつも「ここ」にいた



不思議な少年


飽きないのかしら・・・?



遠目で眺める周辺の住人?たち



りりの庭なのでりりはいるに決まっている


でも「ここ」はねぇ


他にいる住人といえば・・・


池の底に普段は小さなナメクジのような姿になっているグリーンレインボードラゴンのたったちゃん

庭先は崖につづいていて覗くと驚くような深い谷底

そしてブルーグレーの切り立つ水晶の山々の峰

その谷底にいるのは真っ白い大蛇の・・・


えっと・・・?

あれは確かたったちゃんが変身したんだっけ?


そう住人というより

たったちゃんの”かりそめ”の姿

その名は何だろうなぁ?


その時ぴょんっと水が跳ねた

池から跳ね上がった物体は例のナメクジたったちゃん


「赤眼だよ!」

飛び上がりながらポソッっと発した声はとても龍のものとは思えない


赤眼・・・アカメ


そう確か赤い眼ではあったね

まるでルビーのような



つづく