赤眼の白大蛇は赤眼のたったちゃんということで・・・
やっぱり「たったちゃん」なのだな
それと昔バスに乗るのを手伝ってあげたバクテリアのじーちゃんがいたっけな
グレイのお肌で丸裸のシワシワじーちゃんなんだ
髪はなくて宇宙人かもってまちがわれそうな風貌だ
それで虹のキラキラをふりかけてあげるととても喜ぶんだ
そしていらないものをさっさと掃き出したり持って行ってくれたりする
低級霊のふうでそうでなくなった
改心した偉いバクテリアじーさんなのだ
ところであの青年(少年)はどうしているだろうか・・・
ねぇいつまでもいていいよ
でも退屈じゃない?
うん・・・退屈じゃない
どっかに行きたくないの?
うん・・・どっかにも行っているよ
え?
どうみてもそうは思えないね
どうやってどっかに行っているのだろう?
りりちゃん りりちゃんは青年(少年)がどっかにいくところ見たことあるの?
ふふん
早く呼んでよね
ちょっとふくれ面をしながら少女のりりは
うーーーーーんそうだね
「ここにいる青年(少年)」はこのまま木陰にいるけどね
―彼は彼であって彼のすべてではない―
そっか
それで別の彼は何しているのかしらね
彼はこの庭の木陰でぼんやりしたり眠ったり、そしてオパールの池に足を浸して癒やしたり時には虹のオパール色の水中を泳いだりしている
そして別次元の彼はすべてをかけて宇宙空間を舞っている
まるでアスリートのように
ふーん
全身全霊といっても一部がここにいることも必要だったりするんだね
そこから池を覗くとけっこうな眺めでいろいろ透けて見えるしね
りりちゃん 彼に言ってあげて
『いつまでも好きなだけ「ここ」にいていいよ』って
彼の白い横顔が微笑んだ
木陰は時々風に揺れて根元に座り込んだ青年(少年)に
柔らかな光が注がれ
その光のたまが彼の肩や髪をゆらゆら巡る