2012-06-07

龍の話



マニフェステーション
高い山々の頂上を通って
龍の波が現れるとき
雲の合間に漂うように
苦難の涙にくれるものを眺める
闇はそこにはない
雲の滝が押し寄せるように垂れ込めて麓をのみこむ
点滅する眼
声のない叫びをあげながら
うねる竜巻のようにあなたの前を通過する
恐れるか
それを恐れるのか
お前はそうして目を逸らす
すべてはお前次第なのだ
七色に輝く鱗を呑め
祝福の渦巻きが起こり貴様を連れ去るだろう
何処へ行くのかお前にはわかるまい
高らかな笑い声だけが残り
空はいつもの風情に戻る

すっかり夢の中のような気がしたら
それはそれでよい

あなたはあなた