2012-11-23

りりの庭~かわいそうな魔女~その4


それでさーりりちゃん?

りりはレースを身体に巻き巻きして遊んでいる
時にセーターのように
時にウエディングドレスのように

そのたびにワンドも回転して
鼓笛隊の指揮棒のようになったり
ブーケのようになったり

うーん・・な~に?
目をパチパチさせていたずらっぽい笑顔

それでね

うん

どうする?

何を?

これをよ~汗

と美魔女は何かを察知したのか
ごそごそと動き出し、なんだか車輪を動かし始めた

やばーい雰囲気もするかも・・・

ふむふむ
そうやって操るのか

美魔女はバラバラモチーフのそれぞれの一部分を引っ張っている
ときどき巻いて自分の一部に引っ掛けている
フックみたいだなぁ

あれ何だろう?
しくみがいまいちわからんなぁ

りりちゃんわかる?

うんとね
あーでこーでこーなんだよ!▽感覚▲感覚※◎;+・・・

わからんよ~

あっとそこへ現れた

別の人・・・少し遠いね
でも見えるよ
あれれ、その人に何か絡まってるね

よく観ると美魔女のモチーフの一つから糸が出ている
そしてその先は
その人に繋がっている
その人の胸のあたりがもつれている

そうかぁ
それでなんかひきつる感じがするんだね

ひっぱってひっぱってひっぱって
せっせっせと手繰り寄せ

一枚のモチーフを遂に奪ってしまった
糸はそのまま繋がっている

そうやって必要に応じて奪ってたんだね
あの人大丈夫かな・・・胸のあたりをさすっている
顔色が悪いかも

そんなことはおかまいなく
美魔女は眉間にしわを寄せて新たに奪ったモチーフを眺めて点検している

しばらくするとポンと頭の上に乗せた

へー何してんの~?
なんか意外な使い方だったりして

いやいや
一応すっかり自分の持ち物にする努力をしているんだね

りりちゃんもやってみる?
あ、やってみると言っても今もってるレースでだよ!

うん!!
さっきからやってるけどね

はっそうか!

りりちゃんすっかり真っ白を通り越して虹色になってるね

そしてみるみるまたまた大人の女になった
あれ?女神様?

登場ありがとう


このままここにいるから安心しなさい
通り過ぎるものは通り過ぎ
立ち去るものは立ち去ります

留まるものもあるでしょう
ただ今は観ていなさい


美魔女は瞬間だけ元の持ち主の顔に変化する
そして再び元の美魔女

当たり前ですな・・・

でもそんなことばかりを続けていたのか

かわいそう・・・か
と思ったら私の頭上と背後から光が差し込んできた


あの方も完全なのですよ
ただ迷っているだけ
自分の芯にある自分という真実のモチーフ
それはそれは輝かしい
それを選択したいと思えばいつでも選択できます


そうだね
じゃあ
遠慮なく奪還させてもらおうかな

りりちゃん、準備オッケー?

うん、もちろん
さっきからウズウズだよ!

ここ(庭)にはなんでもあるね
じゃあ、この庭とあの美魔女さんのところに迷い込んだ
私のモチーフを繋いでね

イヤッホー!!
ワンドでくるくる
ワンドでくるくる

りりちゃん得意げにクリスタルワンドを美魔女方向に向けて回しだす

ワンドの回転に沿って空間がちょっとゆがみ始めた
よし
そのままワンドに手伝ってもらってモチーフの一旦を絡めよう

クリスタルはすぐに反応して
白いふくよかな螺旋を描く
螺旋にそってさらにまっすぐ光線が伸びる
まるで百合の花のよう
鳴り響くラッパのよう

美魔女はなぜか気づかない?!
何でだろう?
わっかんないな~

でもそのほうがいいね・・・

と思ったら?!★

つづく