木の梢
木の上に白い雲
まるでこの間みた
妖精たちの円舞みたいだ
久しぶりだね
りりちゃん
むすーっとしているかも・・?
どうしてもっと呼んでくれないの?
おかげで出番が少ないじゃない。
木の枝にぶら下がってふりふりしている。
くるっと回ってまたふりふり・・・。
へいへい私が悪うございました。
なんかね、君を守りたいわけよ。
キャー!何言ってるの~!?
きゃっきゃっ
守られてるのはどっちかな~?
はいはい存じてますよ。
でもね、そんな気がしてたのよ。
だってね・・・・
昼間だというのにそいつらったらね・・・
首にかけてきたのはアフリカの首飾りだっていうのよね。
でもって誰ですかって何度聞いても答えない。
ひょいって横を観たらそのうちのひとりが
英語で
信じてないって叫んでるのよ。
何をって私がその人たちのことを信じてないに決まってるじゃない!
変よね~いくらなんでも礼儀知らずだし
言ってることは嘘ばかりだし
変な意図を観じてさ
とてもそのままにされる気なんて起きるわけないじゃない。
ばかにしてんじゃないかって今怒りが湧いてきたぞ~
ほらほら、その人たちはテストに来たんじゃないの?
その時直観しなかった?
したわね。でもそのあと尾を引くのよね
押さえつけられて一方的なことを口走っているんだもの
人間の身になってくれなきゃ
なんたって重いんだから。
それでその人たちはどうなった?
そのひとたちの事情は知らないしどうなったかも知らないけど
邪(よこしま)な感じがしたから
誰ですかって丁寧語をくりかえしていたの。
そしたら皺枯れた女性の声がしてね
またまたあなたは誰ですかって訊ねたら
また質問か!
って吐き出すような捨て台詞を言って
全員がパッと消えたのよ。
いつのまにかとなりで頬杖ついてるりりちゃん。
ふーん良かったね。
でもやっぱわたしの出番ないじゃない!!
呼んでよーつまんないでしょ!
わかったわかった
今度はよろしくね。
小さな森の池のほとりが現れたので・・・
いまから聞くけど
あの人たち何?
だからテストだよ。
ふーん、じゃあ点数はどうだった?
点数というか・・・
まあ合格だよ。
へーなんで知ってるの?
へへへ~なんでも知ってるの。
なんでもおまかせのりりちゃんでした・・・。