きょうは抜けるような青空です。
でも結構寒い。
いよいよ冬なのですね。
太陽の光をたくさん浴びてキャッチできるものはしてみようと思いました。
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このような季節の日々は若かれしころも経験しています。
今よりもっと寒かった。
遠い山々が家のベランダから見えて
角度を変えて体をねじって右側をみればさらに山並みの上に富士のてっぺんが見えていました。
初冠雪もすぐに目で確認できました。
東京にいながら毎日私は季節のめぐりを感じながら過ごすことができたのです。
冬の夕闇は赤くなった・・・と思ったらすぐに濃い紺色に・・・そして暗闇。
帰っていく鳥も大忙し。
山を縁どるように金色が残っていたりします。
何かの名残というよりも本当の姿はこうなのだ
ときっぱり断言されたような気もします。
そして宵の明星の金星がひと際輝きを増すのです。
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この一連の情景は
なぜか私をさびしくさせました。
いつまでも寒さの中、眺めていたりしたものです。
部屋に入り、机に向かってもその余韻をガラスの向こうに認めると、
そのことにかかわることは許されるのだとなぜか信じていました。
そしてその寂しさを楽しんでさえいたのです。
それは澄んだ豊かなさびしさです。
季節や光はやがてめぐり再び戻り、なにも失われたりしないことを知っていたからでしょうか。
矛盾する情感はあえて心に留まるものです。