2012-04-05

老子のこと


天高く
雲のまにまに
泳いでゆけば
出会う

老子:無言

杖をつき、雲の一部のようにすわっておられる

我:いっしょにいてもいい?
  あのね、この世はこんなであんなでそんなでやっぱりこんななんだよ。
 老子:ふむ、ふーむ、そんなこともあるじゃろう・・・。

見れば、杖で黒い不思議な虫を突いて突いて、つんつん遊んでいる。
虫は、転んでは起き、起きては転び、回転しては向きを変え、
杖に絡まり絡まりくるくる転がっている。

我:これは、いつも私を困らせるようなそうでないような、でも怖いような虫だよ。

老子:無無

つんつん、くるくる
虫は杖と遊び、杖は虫と遊ぶ。


雲はオレンジの暖炉、午後の微睡

我:その杖いいな、ほしいな。でもそれは長いからもっと短いのでもいいよ。

私の無邪気は天を昇る


musukari

―老子様を前になんと無礼な子供だろう

そのとき雲から湧くようにペン先が落ちる

空から降るペン
明るい音をたて


竹とんぼのように
くるくる回って降りてくる