天高く
泳いでゆけば
出会う
老子:無言
杖をつき、雲の一部のようにすわっておられる
我:いっしょにいてもいい?
あのね、この世はこんなであんなでそんなでやっぱりこんななんだよ。
老子:ふむ、ふーむ、そんなこともあるじゃろう・・・。
見れば、杖で黒い不思議な虫を突いて突いて、つんつん遊んでいる。
虫は、転んでは起き、起きては転び、回転しては向きを変え、
杖に絡まり絡まりくるくる転がっている。
我:これは、いつも私を困らせるようなそうでないような、でも怖いような虫だよ。
老子:無無
虫は杖と遊び、杖は虫と遊ぶ。
雲はオレンジの暖炉、午後の微睡
我:その杖いいな、ほしいな。でもそれは長いからもっと短いのでもいいよ。
musukari |
―老子様を前になんと無礼な子供だろう
そのとき雲から湧くようにペン先が落ちる
空から降るペン
明るい音をたて
竹とんぼのように
くるくる回って降りてくる