2012-04-21

老子との対話

この章の解説では、最初の魂はアニムス(animus)、2番目の魄はアニマ(anima)という精神の2つの側面として扱っている。そしてアニムスは陽、アニマは陰だという。(河上公「黄金の華の秘密」)

内観していくと、この二つは、ソウルとスピリットとなるかもしれない。その場合、分離はしても背反するものとするのはふさわしくない。どちらもその人のものだからである。
「~できるか」の自問ともいえる問いはすべて「できる」ということが老子の真理だろう。
そして瞑想によって、それらはどうも可能なようだ。人のこころ、意識とは何とも深淵で、神秘、宇宙である。

ブルネビラBulbinella
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第十章 心の二面性の統一

魂と魄を一つに統一し、離れないようにできるか。
呼吸を調和集中させ、嬰児のようにすることはできるか。
自分の中の曇った鏡をきれいにし、何もないようにすることはできるか。
人々を愛し、国を統治して、しかも知られずにいることはできるか。
無存在の領域に出入りし、行動を自分で起こすことはできるか。
明るい照明を知らなくても、あらゆる方面へ及ぼすことはできるか。
それを養い、育てよ。
生み出しても、それを所有するな。
はたらかせても、それにたよるな。
導いても、それを統御するな。
これは神秘の徳とよばれる。

講談社学術文庫 張鍾元 著・上野浩道 訳「老子の思想―タオ・新しい思惟への道―」より