あーあ
ラジオ分解なんてね
年バレバレだね
コンピューターも出始めからちゃんと使っているよ
コンピューターも分解したかったけどね
わたしは大人なのさ
へへへ~
りりはそれどころじゃない
一心不乱に
グリーンアイの男の子を修理してる
動かない腕のコードをつなぐ
いやいやこれは経絡か・・・
不思議な連動の世界
たちまちあちこちのツボが開く
りりちゃんが繋ぐと
いちいちピカッと小さな光が飛び出す
線香花火みたいだね~
うふふ
きれいだよね
部位によって色が違うの
面白いな~
わーい
わーい
できた~完成!
治った~うれぴぃー
グリーンの眼がきれいだね~
光ってきたよ
みるみる精気が流れる
周囲もうっすらグリーンのエネルギー
金色がかって
はじける
ふーん
で
君
どうしてここにいるのさ?
なんでやってきたの?
眼が見開かれ
じっと見る・・・
何を?
焦点はやっぱあってないみたいだねぇ
ここは僕のいるところじゃない・・・
はい?
だからどこから来たのか聞いてんじゃない?
なんかイラつくかも・・・?
なんでかな~
私の庭でなにしてんの?
何も・・何もしてないよ
迷ったの
たぶんね・・・
まぎれてしまった
探し物してたのに・・・
ふーん
何探してたのさ?
うん
お母さん・・
へーここはお母さんとはちょっと違うかもね
迷ったなら出口を教えてあげるよ
ね
りりちゃん?
あいよ!
簡単だよ
君と近しい星の使者がいるよ
え?
なんてすって?りりちゃん?
ほ、星の使者?
うん、金星からね
へー知らなかったよ
この子金星から来たの?
その瞬間ズバッとあたりが暗くなった
デカいコウモリのような翼が天を覆う
やけに暗いね
なんでだろ
でもあんまり怖い感じじゃないね
そうかと思うとそのコウモリ男
なんだかお爺さん風だな
険しいような柔和なような
なんともいえない表情
グリーンの眼の男子はされるがまま
腰のあたりを後ろから鷲掴みにされて宙吊り状態
ひゃっほー!じゃあねー!
元気でね~!
りりは手を振って見送る
わたしは茫然と見送る
今度はこの爺さんどっから現れたのか・・・?
ううーん・・・
疑問の多い話が続くわね
知ってるなら教えてよ
りりちゃん
知ってるでしょ?
あのグリーンアイの男の子は
お父さんよ
ええ~そーなの?
正確にはお父さんの一部かな
お父さんが
ずっと自分のお母さんを探しているのを
知ってたでしょ?
子供のときから
うふふ~
ラジオを分解するよりももっと前だよん!
そういえば・・・・
まだ生まれたころに近い記憶・・・
・・・縁側にすわっていた
父親の膝の上で
日向ぼっこしてた
その時背中から入ってきたんだね
あの男の子
ずっと埋もれていた
父親も覚えているはずもない
娘を抱っこして母親のことを考えていたなんてね
そ、それで
あの爺さんは?
私のお爺さんとか?
いや、ち、違うね?!
うふーうふー
また今度ね~
といいながら
グリーンアイ男子(父親?!)の持っていた空豆みたいな種を
本当に植え始める
るるるん
るるん
りりちゃんは絶好調・・・
はーいお水をあげましょー
いい芽が出るよ~