2012-02-14

日向ぼっこ

幼子が
縁側でひとり
日向ぼっこだろか
縁側板の年輪
水の波紋のようにつながって
眼を追うほどに遠くにゆく
雨ざらしの縁側
グレーにまとまった板のすぐ上は庭の空間
空間とは何だろか
幼子は空気を見てみる
緑の垣根はぼんやりと空間の光と融合する
土も草も融合し空間と一体となる
縁側も一体となる
幼子も一体となる
ふと幼子は自らを見ようとした
あたりは一瞬にしてひずみつぶれて光に吸収された
眼の中には太陽のようなそうでないような
白い広い黄色い光の球と
突き抜けるような光線
はたと我に返る
私は光だったと思い出してはいけない
幼子はこの世を選んだのだ