真冬の中に春を見つける
それは香り
私の鼻は未来を嗅ぎ分ける
日の光に彩られて
まざまざとのぞかせる
その世界とは
真なることは一瞬で起こる
けれどそれにすべての者が気づくことはない
さらなる光の一片が到来する
すると
煙の中に浮かんでは消える未来図に愕然とする
知っていたのに知らなかった
知るよしもないのに知っていた
泰然と広がる世界の境界線を見渡せるわけもない
掴んだと確信したはずの香りを再び忘れ去るのもまた一瞬
さざ波のように繰り返しているようでいて
すべてが白日のもとにさらされる日は近い
総ては御手の中