ジャブジャブジャブ・・・
あー洗濯ですか～？
ジャブジャブジャブジャブ・・・
おーボクシングでしたか？！
ジャブジャブジャブジャブジャブ・・・
りりちゃん！
お風呂で遊ぶんじゃありません！
あはは～バレたか・・・
だって寒いんだもん！
えー風邪かいな？
熱はなさそうだよね？
ううん、違うの
旅行中に冷えたんだよ
ええ、りょ、旅行？
行ってないよ、私は
でしょーでしょー
だって知らなかったんだもん
このままのドレスじゃねぇ・・・
ふんわり小さいドレスが木にぶら下がっている
風は冬の風
雪の匂いが漂う
どこかで雪が降っている
それよりもさ、りりちゃん？
なーーーーーーに！！？❤
ああ、ちょっと調子狂うわねぇ
私はまじめに訊いているのよ・・
りりちゃんも
おーーーーーまじめだよん♪
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
goーgoーGOーー
ゴーゴー▽△▼▲
鳥になった！鳥になった気分で見るよーーーー
高い空
青い空
広い海
青い海
ここは南国かしら・・・？
いきなり暖かいねぇ
わーい海に入る～～♪
海水浴だー遠泳だー
りりちゃん、きみ泳げるの～？
亀さん亀さん！疲れて泳げなくなったら乗っけてよ
あいよ、お安い御用だ
でもその前にあの少年をなんとかしようかと思ってね
ひとりの少年が漂流している
巨大甲羅の亀が悠々と旋回している
空と海の境目がわからないくらい両方が青い
明るく輝く世界
遠くに陸が見えている
あそこはどこだろう
少年は考える
そして考えを止める
亀はその傍をつかず離れず
やがて陸につくだろう
飄々と
そしてそこで生きる
何も疑問を持たず
出会った人と仲良くし
木の実が実ればその実を食べ
眠くなったら草を敷いて眠る
魚を見かけたら銛をつくり
雨が降ったら屋根を作る
すべてをそのまま受け入れる、とはこうしたことだ
・・・・・・・・・・・・・
ただいまーただいまー
おかえりーおかえりー
自分で応答してみる・・・
へへへへ・・・・
何持ってるの？
んーこれ！？
およよ!
それは返してきてね！
はーいーよー❤
えーーーーーーーい！！
ポーンとりりがそれを投げる
円盤のように飛んでいく
それはあの少年のもの
美しい羅針盤
