2013-06-11

りりの庭~ゴミだし その2


延々と長梯子のてっぺんで
演技しているりりちゃん

そのさー
どうしてこー高いとこが好きかな~?



そういうもんだよねぇ
高いとこも深いとこも好きだよね~
りりちゃんね・・・

なーに~?

えっとえっとね・・・
これをどーしよかとね・・・・

指をさしたほうには袋がある

結構でっかいね
麻とかでできてるのかなぁ
そして中には・・・

きゃー

↑これりりちゃんでないほうの声


恐怖かな・・・さわれないや

りりちゃんは?

いつのまにか降りてきたりり
いつもどーりのふわふわドレスの恰好に戻ってる

そしてりりは無表情になって観ている

そうか
よく天使とかがする表情だね
あの独特の・・・眺めてるというかなんというかねぇ

無表情というと冷淡な感じを受けるけどそうーじゃないのよね

それでどーすんの?

どうする?

おー悩んでるわね
わたし

悲しくなってきた
おー涙も出てくる

なんだろうねぇ
つらいねぇ

でも泣けるほうが楽だよね
涙はそのままにしとこう

でもこの泥のようなものどうしよう?
泥だ泥だ使えない泥だ
置き場がない泥だ

どうしよう?
どうしよう?
どうしよう・・・?

パパン
パンパン

??

なんか音がしたかと思うと何処からか呼び声が

・・さん
じょーさん・・

お嬢さん・・

か細ーい爺さんが現れた

いつか来たことがある
そうあれはグレーカラーのほそっこい爺さんみたいな
しわしわ肌の・・・
確かリりが運転するバスに乗って虹を渡っていったはず  (リりの庭~奇怪な訪問客 参照)

・・・ワシが持っていくよ
元の持ち主に返せばいいじゃろ
ワシが行ってくるさね
泣かんでもええ
ちゃんと運んでいくよ
なーに何にも心配いらん

あ・・・そ、そうか
あのときに光を浴びたからだ
あの爺さんたちの一人だ

すると再び爺さんの頭上に小さな光の粒が降る
小雨みたいにパラパラっと

爺さん気持ちよさそうな表情をする
しわしわグレイ爺さんは何処の何者?

ワシかい
ヒヒヒ・・・
髪のない頭をかきかき照れている

ワシは・・・でさぁ・・・

・・・・

へー初めて会うよ
バクテリアの精霊だったんだ!
そんなのがあったんだねぇ
言われると変に納得・・・
うん
うん
ありがとう

どれどれ
よっこらしょ!

袋は爺さんに背負われてたちまちどこかへ飛んでいく
真上というより

空間の壁を破って出かけたみたいだ

そのまま持ち主に直行している

・・・・何でわかるのかわかんないでしょうけどそうなっている・・・・

持ち主はそれとは知らずに日常を営んでいる

目の前のテーブルにその袋がどかっと運ばれ
逆さまになる
袋からは泥がどろどろ

どろどろ
どろどろどろどろ

あふれ出て

埋め尽くす

ほれほれ
あんたのもんだよ
ワシのご主人を困らせおって
どうじゃどうじゃ
はたいてやるぞ
ぱんぱんぱん
ぜーんぶ受け取れや

でも持ち主さんはよくわかっていないようだ
それでもテーブルの上に埃みたいなものを発見したようだ
それを見つめて不思議がるのみ

持ち主だものね
なんの警戒もしない

~~~

はいよ
戻ったよ
なんてこたーない

どれどれまだ泣いとるか
ほれほれこのとおり戻してきたよ

まだこっちにも
こぼれているかいな

かき集めて捨ててきて差し上げる

おや
これはなんじゃ?

庭の地面にひとつ残ったものがある

なんじゃいこれは?
石ころかいな?

えー?!なにー?見せて見せて!!!

いきなり目が爛々としてその石にくいいるのは
りりちゃん

なんで動き出してんの?
涙が収まった私が居直る

本当だ
これは何だろうね
またまた種みたいな塊だね
石かもしれない

鉄の仲間の石だろうか
ヘマタイトに似てる・・・

でもあの泥の中から出てきたみたいな感じで・・・やっぱりやり場に困るなぁ

ふーん
ヘマタイトは
邪を跳ね返す・・・

そうか今晩はヘマタイトを枕元に置いて寝よう