2012-05-15

薔薇の蕾


 



薔薇がそれをうけとめるだろう
いつか見た景色
浅瀬を流れる水の透明さ
誰もいない
魚はいない

白い砂
うっすら光のベールが包む風景
記憶のかなたは
素足の人がひとり
そこで何をまつか

テディベア
薔薇が花びらを広げてそれを見せるだろう

空の記憶は鳥の記憶に似て
まっすぐでも
垂直でもない
涙のあとを追いかけるように
風と雲の仕業にすり替える
薔薇がそれを見届けるだろう