2021-12-23

りりの庭~ルビーの水 その3

 ♫赤い靴ー

はーいてたー

おーとーこーのーこーーーー♫


へ?

赤い靴履いてた男の子?


りりは微笑みながら歌う


赤い靴に見えずとも

その男の子の履く靴のエネルギーは

あか

レッド


ルビーのようなレッドよーーー



ミルキーオパールの池がある日ルビーレッドのオパールに変化して・・・・


移ろいゆくその赤の中の七色の光に

少年の素足は浸され・・・

そのエネルギーは全身を満たす


その水の中をひと泳ぎした者は

この世には存在しない新たなエネルギーを得て舞い踊るだろう・・・


ルビー色したオパールの池は再びもとのミルキーオパールに・・・

ゆっくりと戻る・・・


歩き出した男の子

歩み出した少年

走り出す青年

空を舞う・・・なんだろう?


まだいつでも戻ってきていいよ

いつまでも好きなだけここに居ていいよ

オパールの池のそばにある木の根元

苔むして草が伸び

小花が咲き

虫が集い

そして君をいつでも歓迎するよ



2021-12-08

りりの庭~ルビーの水 その2

 

夕映えの池

ミルキーオパールの池を照らし

水面に揺れる七色の光の粒

靜にその色が移ろう



ああ

茜色の夕日を捉え

滲む橙

そして紅


やがて宝石のように輝き出す



わーいわーい

今だよ今だよ


一瞬ルビーが見えたでしょーーーーー


ルビーの水に入っていいよーーー



りりが呼びかけるその先には

あの優しい哲学的なそして鋭敏な心の少年


そっと起ち上がるその姿は天界からの使者のよう


いやいやそのような者がここに永く居ないだろうと

思い直すのは私


少年の歩みは真っ直ぐ池の中へ


白い白いオーラの少年少し青みをを帯びミカエル族の証を持つ


白い素足が池の中へ

ルビーのエネルギーが染み渡る

少年の身体の奥底へしなやかに確実に廻り渡るのが観える


ルビーにも青があるのね・・・・


染渡るエネルギーを少年は待っていたかのように呼吸する


そしてやさしく微笑む

木々や草、小花、苔、石や土遠くの山、ああ、水底にいるグリーンドラゴンのたったちゃん、谷底の白蛇・・・

庭のあらゆるものが呼応して和む


ひたすら嬉しそうに見守るりり


少年はやがてもとの木の根に座り込む・・・

何かに満たされたような穏やかな表情

・・・・傍らにあった靴がいつのまにか赤く染まっている


そしてこの少年はいったい何をするのだろう・・・・?


つづく

2021-11-29

りりの庭~ルビーの水 その1

 

池の畔

穏やかな光

そろそろ夕日に染まる

小さな沢をいつもより少ない水が落ちる

一粒の水玉に宿る光の証


水面に映るりりの顔

とその次には素足を出して

池に容赦なく突っ込む

パシャパシャパシャ・・・


あーーやれやれ

りりちゃんや

あなたはどーしてそーなるの?!



へへへ

だってさこれからオパールの池の水の色が変るんだよ!


えっと・・・池の色が変る?!

だってだってオパール色だよ

七色だよ

虹色だよ

すべての色がここにあるのに

いったい

なんの不測があるというの?


ふふん

オパールにも色のトーンがあるでしょ~

これからこれから

オレンジのオパールになるの

うーーーんそして赤く赤く燃えるようなオパールになるの


それでも七色の虹がちゃんといるよ


どーして?永年ミルキーなオパール色だったのに・・・・


それはね・・・

あそこの大きな木の根元に坐っている少年にね・・・



ああ

そうだった

ここにはあの少年がいた

なぜかいた


そしていつも穏やかに優しくそしてどこか寂しく

どこか哲学的に

なんだか瞑想するように

そこにいつも坐っているのよね・・・


いつまでもいていい

好きなだけいていい


今もそれに変わりない



つづく

2021-10-06

導師の言葉

 

導師の言葉の前に


観たもの


それは旅立つ者が会場を彷徨って

皆に挨拶する

一人一人に


私の所にも居た

すぐ左側

私の左の顔面に触れるほど

いや重なるほど


実に自然に穏やかに

私は安堵した

ああよかった大丈夫そうだ


それでなにか私に尋ねたいことでもあるのですか?


すると

これからどうなるのか・・・と


ああ、その先がわからないのね


するとその時

導師がまじないを唱える

3回唱えた時だった


こんどは私の右上に光を伴ったエネルギーが現われた


わたしは左にいる者に伝えた

あの光の方向に行けばいいよ


左にいる者はさらに穏やかになった



読経が終わると導師は会場の人々に説く

今日の私は導き手です





りりの庭~虫退治 その6

 

黒かったりグレイだったり


虫はいつもそんな色かなーーー


違うよねーーーー

りりの独り言


わたしは知っているよ

虫さんにもいろんな色があるの


あーほら

グレイのバクテリアじーさんだって光を浴びると金色の部分が表れるんだよ


ほいさ!呼んだかい?


むふふ、うん、いつもありがとう💕


あーあーあー

でもこの家を取り囲んでいる虫は

なんだか荒々しいねぇ

そしてこの家を取り囲んでは中に入り込み

入り込み


中には何が居るんだろうねぇ


虫にエネルギー食べられて綺麗になるのかなぁ



ふん、それは無理じゃな

りりばーさんがすかさず言う


無理じゃ

こればかりは

時既に遅し

それは仕方ない事じゃ

そしてまた関係する者がそのエネルギーを引き継いでしまうかもしれない


これぞカルマというのじゃ


よほどの覚悟が無ければ

解くことはできまいて


・・・・



虫はボリボリ

ムシャムシャ


黒々と家を染める

なかに居る者はもっと黒いからのう




2021-09-04

りりの庭~虫退治 その5

 

あれからどれほどの時間がたったのか・・・・


りりやりりや

なに居眠りしておるのじゃ?


う~ん・・・だって・・・

眠い目をこすりこすり

りりがたち上がる


おおおおおおお


学校がーーーーー


ぞろぞろぞろ


あれは何?生徒?先生?


いやいや

あれは無数の虫たち


ありゃーーついに引っ越しかなぁ


わーいわーい虫の行列


どんな虫かって?


そりゃいろいろだね

毛の生えたやつや手足が10本とか

羽ばたくやつとか

かみつく奴とか

人の黒いエネルギーを食らう虫はいくらでもいる

虫にとってはご馳走なんだ

それに人にとっては毒で悪さや嫌みの塊になって表れても虫にとっては大地の恵み


大挙して虫はどこへ行くのか

あ、ひとつの場所を目指している?!


おおお、それは元凶人のところ

野越え山越え


ぞろぞろぞろ



辿り着いたのは元凶人の家

取り囲み 屋根から 基礎から

入り込み中の者はたぶんもう出てこられまい・・・

これはしかたのないことかのう

あまりにも魂を食い尽くされて

しかたのないことかのう



その者の家を取り囲み

2021-05-07

りりの庭~虫退治 その4

 


ここはパラダイス

飯の心配が無いところ


どうーしてかって?


ひとりのはらグロさは


やがて二人の腹黒さへ


二人の腹黒さは


遂には10人の闇の完成へ


わかったかい?

ここはわしらの餌の自動生産工場なのさ

学校が聞いて呆れるだろう?


ふふふ

おっと

それはわしらのせいじゃない

あやつ等の魂の業なのさ



そーかいそーかい

よーーーーくわかったわい



りりや

これりりや

いったいどこで遊んでおる?


はーーーーーーーーーーーーーーい


ここ!


今ね

たくさん踊って

歌って


そんで図書館のせんせーーとおしゃべりしてた


おもしろい本があるんだよ

庭の本

豪華な庭

自然な庭

りりの庭もこんなお花植えようかな?



ありゃま

そこは光が満ちている

なんでかな・・・・?


みんながほっとして

素になって

捜し物に集中している所・・・


まぁ そんならりりはそこにまだいておくれ

そしてわたしが蒔いたエネルギーが届いたら増幅しながらガードしておくれ


あいよ!お安い御用!やったー!これは久しぶりのお祭りかなーー?

ぴーんと起ち上がる満面の笑みのりり



じゃあいくよ


ほれ透明なふくろうさまのお出ましじゃ


りりばーちゃんが見上げて天を仰ぐ

白い髪が白く燃えるようにたなびく

そして深呼吸・・・


すると

どこからともなく巨大な梟(ふくろう)が現われ

鋭い目つきをしながら空を覆い尽くすような翼を広げる


しかもその姿はなんとも言えないほど透明なのだ

そこに集う普通の人々にどうやってその姿を認めることができるだろう


それが観える者はりりやりりの庭に住む者だけ


これはミカエルの化身か

鋭い爪

まっすぐ真っ逆さまに急降下してくる全身に纏うエネルギーは

光り輝く稲妻か

羽ばたくたびに唸るように光が注ぐ

閃光がたちどころに校庭や校舎の各階を駆け巡る・・・


おっと誰かが階段で転んだ

落ちる

また実験室でも何かか破裂したような音が

それでもそこに居る人間には聴えない

りりは図書館からまっすぐ校門のほうへ向かってエネルギーを増幅させる

ときどき

きゃっきゃと飛び跳ねて


2階の職員ばかりが集まるフロアは一見何事もないように穏やかだ

そこへ小さな物音が

小さな水晶のフクロウが反応する


――ふふ遠い昔そこに置いたことがあるのさ

水晶のフクロウのフレームはまだ残っていたようだ――


だがその小さな物音に誰ひとり気づかない

巨大フクロウの放ったエネルギーが水晶を基点に放射状に広がっていく・・・


虫に侵され魂を売り渡した者どもは何も気づかない


ただ無性に不安になる

どこからともなく訪れる後悔の念

罪悪感


果てしない無価値感


それこそがあやつらの業


誰かのせいにしてきた

誰かの足をひっぱり続けた

八つ当たりしてきた

それが生きる術だと勘違いしてきた


この光の中

そして

虫たちは・・・




2021-04-30

りりの庭~虫退治 その3

 

地上9階地下3階


ふーーん 学校にしては高層だねぇ


どれどれ問題のある人間はこっちの階か

部屋の真ん中に螺旋階段がある

ふふん

このままじゃこやつらが”螺旋”を昇っても何も変らんだろうのう


ふむふむ

ふむふむ・・・


りりばーちゃんはまるで箱庭の蓋をはずして眞上から覗き込んでいるような格好になっている


でかい眼が睨んでいても

誰も気づかない


おっと

虫のほうが気づきはじめた


哀れな人間のたかりついて真っ黒い煙のようなエネルギーを貪っている


夢中になって貪っている



気づきはじめた


おい ばーさん!

そこでなにを見ている?

食事の邪魔せんでくれ

虫にも長老がいらしい


ふん

お前等にはこのわたしが見えるのかい?

なのにこの人間どもは誰も気づかんとはねぇ


まともならふと気づくはずだよ

なんとなく気配とかねぇ

”虫の知らせ”ってやつでさぁ

こやつらは重症じゃな

黒い虫のみなさんはどうしてここにこんなに集っておるのだ?



ははーー横取りされちゃかなわん

ここは大事な餌場

とっとと消えてくれ



ふん

りりばーさんはサラッと受け流す

そして続ける



ここは餌場かいな

ならそいつらの家にまで行けば良い

一晩中

食事にありつけるというもんさ



虫はそれぞれわいいわいがやがや

貪りながら笑っている

そりゃそうだ

そのとおり


でもな・・・






2021-04-16

りりの庭~虫退治 その2

 

来たよーーー

学校だぁああああああああああああああああ


いいなーいいなー


生徒になりたいよーーー



おほん!

これ リトルりりや

そんなにこーーふんしてもねぇ

まぁよい

体育でダンスでもやっておいで



わーーーーーーーーーーーい

ダンス!ダンス!!ダンス!!!


――なんでもできるのがエネルギー体マジカルチャイルドりりちゃんです。


一方のりりばーちゃんは・・・


屋上の更に上空にふんわり浮いている・・・白い髪をたなびかせ

年寄りらしく窪みがちに大きくなった眼をさらにむいて


ふーーーーんターゲットはどれかな?


ほほう

なんだか細かい虫たちが蟻のように群がっておるぞ


子供らには憑きはしない

美味しいのはやはり半端な大人だ


周りをいたぶりながら

嫌がらせの嘘をつく

欺して邪魔者同士を争わせどちらか一方を排除する


なんじゃ 随分一部の人間に取り憑いておるではないか

一部の人間に集中して取り憑いて

煙のようにでてくる黒いエネルギーを貪っておる


蟻のようで蟻でない


働き者のふりをしながら

苦労しているふりをしながら


そのくせ


出世ねらいの

甘い物好き

人気取り・・・


見えた


狙いはその者に群がる黒い小さな無数の虫


貪られている者にはあの虫の騒ぎ声が聞こえないのか

それじゃあ此の世の聞くべきものも聞こえない


はてさて

どうやって退治するかな

ふふん












2021-03-23

りりの庭~虫退治 その1

 

ほれ

あそこに寄るとしよう


どこどこ?


小さいりりは目をこらす


空中を走行中


雲間に見えるあそことは・・・・


ああ


学校だね

学校に虫がいるの?


いるともさ


ここはわりと見つけやすい

本来のエネルギーと落差があるからね


ふーーーん

きゃっほーーーーがっこうーで遊ぶよーーー


何して遊ぼうか


縄跳び

体操

音楽


せんせーとおしゃべり~


そーいえば

りりの庭にも学校あるんだよ


ほーー知っておるともよ

魔法でも教えるつもりだったんだろうが

みんなのんびりしすぎて生徒が集まらんようだ


ふふ


そのうちちらほら来るだろう



それよりこの真下の学校の虫に集中するぞい


そら急降下

ぎゅーーーーん

きゅーーーーん

急激に旋回しながら降りる

白い髪も

茶色の巻き毛も

くるくる

くるくる


きゃーーーーーー

大喜びのりりとりりばーちゃん



2021-03-08

りりの庭~未来予想~その2

 

旋回しながら地上を眺める


うわーーーーい

久しぶりかも いい眺め!


きゃーーー吹き飛ばされるぅーーー


小さいりりは必死にりりばーちゃんの長い白髪の巻き毛の先端をつかんだ


風にはためく小さいりり


それでもへっちゃらなのがりり



それで?これから何して遊ぶの?


ふん遊びとな


そーじゃ そーじゃ 遊びだわい


鬼退治ならぬ虫退治だ


どこかに潜んでおるぞ

みつけたら報告おし


はーーーーーい!!わー楽しみだなーーー


とそのとき雲間に見えたその虫らしき影


もくもくと黒い煙のように見える

それは火事などではなく・・・



ああ

火事の後にたむろしていたりする虫もおるよ


昔一軒まるごと火事になってな

周りには移らなかったがその家は建物も庭木も何もかも全部焼けてしまった


翌日の夜近くを通りかかると

プスプスくすぶった煙に紛れ何か動くのを見たもんじゃ



へーー?何見たの?


ふん、餓鬼と呼ばれる虫たちじゃよ

木炭みたいになった焦げ臭いがれきのそこらにいくつかの餓鬼の虫がわいわい遊んでいた

そして

何かを貪って食べておる


何食べているの?


さてな

誰も死んでおらんから人ではないな


だが人が暮らしていたエネルギーなら残っておる

黒焦げになってもエネルギーはそこに残っておる


いくつもの虫がキャッキャと遊びながら

子どものようにはしゃぎながら

飛び跳ねてはエネジーをパクッと吸収する

そして

旨い旨いと酔っ払いのようにダンスする



ふーーーん


それでそれをりりばーちゃんは退治したの?


ふん まさか


そんなもん意味がない


日常の人のエネルギーを焼け跡で貪るくらいどうってことはない


わたしゃ生きている人間にこびりついた虫を退治すんだよ






2021-03-05

りりの庭~未来予想~その1

 

りりばーちゃんが飛びたつ


え?


おばーちゃんなのにあんなに飛べるの?


りりばーちゃんは一層身軽に飛びたつ


まるで龍の如く

虹色に光るグリーンドラゴンのたったちゃんも顔負け


白大蛇のアカメもびっくり!赤い眼をこらして見上げる


りりばーちゃんは余計なものを持たない


ひるがえるマントのような衣

黒なのか白なのか

光なのか影なのか


ひゃっほーーーー


って小さなりりの叫び声みたいだ


まぁ本体は同一だからそうーかもしれない


いつものりりちゃんはどこ行った?


あーーー!!

ばーちゃんの白い髪の先を摑んでいる


ひらひら巻き毛につかまってジェットコースター以上のスリル


あれはりりちゃんの声だったのか?


りりばーちゃんは空飛ぶ魔女のようだけどホウキはない

ナマ身で飛んでいる


大空をゆくよ


そしてどこに行くのだろう


とその時

雲間を悠然と飛んでいると思ったりりばーちゃんは

突如旋回開始!


ほれ

ここでちょっと寄り道だよ


えーーどこに寄るの?


りりちゃんも張り切る


途中で退治しておくかね

積年の虫ども


しぶとくしつこくまとわりつく

たったちゃんも

バクテリアじーちゃんもがんばった

どんだけ掃除したことか


ああ


それなのに


やさしい何かがどこか許してしまう


自分を削って

失って

怒っているのに

悲しいのに諦めて



だから先輩りりばーちゃんはやってきた


これはひとつのお役目


りりばーちゃんはばーちゃんだけあって


寛容さと厳しさも明確らしい


ふふん


こんなもんはとっとと退治してしまえ

それが世のため人のため

そしてなにより本人のため


なーに命を取ろうというわけじゃない

明確に仕切るだけのこと


覚えておいで

そのほうが先方だって先に進める


どんな虫にも明日がある

そして生まれ変わる

輪廻の途中なのさ


輪廻の途中?!


ほっほーーーー

わたしゃもう修了だけどね


最後の仕事をしに来たのさ


まーーーったく

黙って眺めていたら

このわたしまで輪廻してしまうわい






2021-03-01

りりの庭~新しい住人~その3

りりばーちゃん

りりばーちゃん

りりばーちゃん


むくっと起き上がったりりばーちゃん


なんだい うるさいね

せっかくひなたぼっこしていたのに

あーあいい気持ちだった

ふん

安眠を妨害したね

何の用だい?内容によっちゃ許さないよ



えーーーりりばーちゃんが昔の自分を叱るわけ?


ふん

そうだよ

わたしゃあんたの大先輩だからね


あのね・・・

ふむふむ・・・


!!!!!


それじゃあしかたがない、いっしょに行くかね


わーーーーい!やーーーーったーーーー☆






2021-02-19

りりの庭~新しい住人~その2

 


真っ白な髪のおばーさんになりたい


するとどうなるのか


聖なるかな


光は思いのままやって来る


あらゆる高次のエネルギーとつながる


そしてこの庭にも


そしてその星にも


燦々と降り注ぐであろう



・・・・


ふーーーん


小さなりりはへんに納得の様子

そうだったのかぁーーーー


りりも白くなりたいなぁ


何を言うか


そなたは幼女

そのままでよい


そしてまたあの少女も

豊かな巻き毛・・・そのままでよい


そうしてなれの果てのわたしを見るがよい



え?

なれの果て?


おばーさん

もしかして・・・?


なれの果てのりりちゃん?!


そんなに目をまるくしなくてもいいではないか

ふん


成長すれば誰でもこうなる



聖なるかな


青い光から白い光


まずはここに降らせよう


みな用意はいいかね?


バクテリアじーさんがひょっこり現れた


ばーさん仲良くしようや


ふふん

じーさんの相手などできないよ

お前さんこそ出る幕を間違えなさんなよ


へい

そりゃあもう!

いつだってゴミ箱持って現れますじゃ


それからそれから

辺り一面に

星屑のような

キラキラが

ひらひら花びらのように落ちてきた


庭に積もる

積もる


雪のように

花びらのように


少年の眼も輝く


樹々に積もり

池に漂う


そうして染み渡る


不思議なエネルギー



2021-02-09

りりの庭~新しい住人 その1

 

りりちゃんは幼い少女?

りりちゃんは10代の少女?



りりちゃんは白髪ばーちゃん?


あら?


白髪のおばばがいるね・・・


いつのまに「ここ」の住人になったのんだろう


ふふん、オパール池は私の顔を映す

グレイヘアはトレードマーク


髪は長く黒が少し混じったグレイヘア


ああ、早く真っ白にならんかのぅ・・・


え?

真っ白になりたいといっているのかな?


めずらしいねぇ。普通は黒くなりたいとか若くなりたいとか考えてんじゃないのかな?


ねぇ


おばーさん、小さなりりが言う


どうして真っ白になりたいの?


どうしてって

わからんのか?「ここ」にいるのに?


ここに居る人は真っ白な髪になりたいの?


いやいや、人によるのだよ

わたしゃもう真っ白になりたいのだよ


そうすればいろいろできるのだよ


へーー?!

真っ白な髪だといろいろできるの?



つづく

2021-02-07

りりの庭~オパールの池~その3

 

赤眼の白大蛇は赤眼のたったちゃんということで・・・

やっぱり「たったちゃん」なのだな


それと昔バスに乗るのを手伝ってあげたバクテリアのじーちゃんがいたっけな


グレイのお肌で丸裸のシワシワじーちゃんなんだ

髪はなくて宇宙人かもってまちがわれそうな風貌だ


それで虹のキラキラをふりかけてあげるととても喜ぶんだ

そしていらないものをさっさと掃き出したり持って行ってくれたりする


低級霊のふうでそうでなくなった

改心した偉いバクテリアじーさんなのだ



ところであの青年(少年)はどうしているだろうか・・・


ねぇいつまでもいていいよ

でも退屈じゃない?


うん・・・退屈じゃない


どっかに行きたくないの?


うん・・・どっかにも行っているよ


え?

どうみてもそうは思えないね


どうやってどっかに行っているのだろう?


りりちゃん りりちゃんは青年(少年)がどっかにいくところ見たことあるの?


ふふん

早く呼んでよね

ちょっとふくれ面をしながら少女のりりは

うーーーーーんそうだね

「ここにいる青年(少年)」はこのまま木陰にいるけどね


―彼は彼であって彼のすべてではない―


そっか


それで別の彼は何しているのかしらね


彼はこの庭の木陰でぼんやりしたり眠ったり、そしてオパールの池に足を浸して癒やしたり時には虹のオパール色の水中を泳いだりしている


そして別次元の彼はすべてをかけて宇宙空間を舞っている


まるでアスリートのように


ふーん

全身全霊といっても一部がここにいることも必要だったりするんだね

そこから池を覗くとけっこうな眺めでいろいろ透けて見えるしね


りりちゃん 彼に言ってあげて


『いつまでも好きなだけ「ここ」にいていいよ』って


彼の白い横顔が微笑んだ

木陰は時々風に揺れて根元に座り込んだ青年(少年)に

柔らかな光が注がれ

その光のたまが彼の肩や髪をゆらゆら巡る




2021-02-02

りりの庭~オパールの池~その2

 

今日も朝日が池に注ぐ


オパールカラーが広がっては小さく波打つ


池の縁には様々な苔が蒸してまあるくたれ込んでいる


岩肌に輝く滴の数々


そうやって流れ込む水の滴は少年を癒やし続ける




いつまで居てもいいよ

好きなだけ「ここ」に


それでもやがて去ると思われた少年はいつも「ここ」にいた



不思議な少年


飽きないのかしら・・・?



遠目で眺める周辺の住人?たち



りりの庭なのでりりはいるに決まっている


でも「ここ」はねぇ


他にいる住人といえば・・・


池の底に普段は小さなナメクジのような姿になっているグリーンレインボードラゴンのたったちゃん

庭先は崖につづいていて覗くと驚くような深い谷底

そしてブルーグレーの切り立つ水晶の山々の峰

その谷底にいるのは真っ白い大蛇の・・・


えっと・・・?

あれは確かたったちゃんが変身したんだっけ?


そう住人というより

たったちゃんの”かりそめ”の姿

その名は何だろうなぁ?


その時ぴょんっと水が跳ねた

池から跳ね上がった物体は例のナメクジたったちゃん


「赤眼だよ!」

飛び上がりながらポソッっと発した声はとても龍のものとは思えない


赤眼・・・アカメ


そう確か赤い眼ではあったね

まるでルビーのような



つづく




2021-01-25

りりの庭~オパールの池~その1


庭にいる少年はいつのまにか青年の顔に

腰かけている木陰は変らず柔らかな草のが木の葉の間からは

穏やかな木漏れ陽

ここは永遠の春なのか初夏なのか

五月のような光がオパール色した池に降り注ぐ


りりがやってくる

小さな無邪気なりりと

少し成長した少女のりりが

交錯するように

そこに唐突に現れる



しんなりした水草を眺めながら

少年とも青年ともいえる一人が膝を抱えたり伸ばしたりして時折空も眺めている








2021-01-21

お知らせ

お知らせ



金木犀sweetosmanthus~Liliの庭~」は、

シンプルに「Liliの庭」の名で本日からこちらに投稿いたします。

過去の投稿も読むことができます。2021/01/21 16:35


これからもよろしくお願いします。






2021-01-05

空を見上げる

 

風が吹いて


空いっぱいに青が響く


新たなエネルギーを充填していく