2017-11-28

りりに庭~次元上昇 その6


ねぇねぇ

老子さん

りりをこの辺で見かけませんでしたか?


ほほほう


その辺におるだろう


そうかぁ

りりちゃーーーん!!


はいなーーーーーーーーー☆


むむ

どこから声が?

ここだよん



岩の陰になぜか縮こまっている・・・?


こんな小さかったっけ?これじゃあまるでおやゆび姫だわ~

そうよ---

こんななの

そしてこんななのよん!

スポン!!

とフラッシュとともに

ちょっと大人びた少女のりりが立っている


おおおお

りりちゃん成長したの?

ふふん

成長とは言わないよーーーーだっていつものりりのほうがよっぽどマジカルだもん!



そうか

じゃあどうしてこの姿に?

それはね
お庭のリニューアルだからだよ


リ リニューアル?

えへへ
次元上昇ってことよ


ああ

次元が上がったらしいことはガッテンなんだけどね


りりちゃんもリニューアルスタイルになるの?

ふーーーーんどっちでもいいよーーーちょっと変化を見せたかっただけだもーーーん

(人は多次元的な存在なので幾重にも存在しているといいたい)



はははは

よかった!じゃあ

これまでのマジカルなりりちゃんでお願いします!


おっほん!

どう?あたくし りりちゃんの存在感!

見直した?

りりは堂々老子殿に向かって話している



あちゃーーー

本当にこれでよかったのか?!
そういえばりりってこんなだったわよね

ちょっとかっさらわれたときのセンチメンタルが後を引いていて忘れていたわ・・・




老子さん
許してくださいな


ほほほう


老子殿はただ静かに笑っていなさる



それで・・・どうかお言葉を・・・



白い髭が静かに揺れて白い衣の裾が岩肌に擦れる音がする

ふんわりオレンジの光

乳白色を帯びてより照り返すようにまばゆい






幸不幸とは
人間の考えること

ここ(宇宙)ではそんな概念すらない

何も成さずして何かを成し

誰にも気づかれず何かを成す

そこに幸不幸などなんの関わりがあろうか






しーーーん



静寂が広がり我に返ると池の前に座す少年

ああほんの少しの距離だったのに恐ろしく長い旅に出ていた感覚・・・・



続く






2017-11-23

りりの庭~次元上昇 その5


池の中の少年

ゆっくりゆっくり旋回しては身体の様子を確かめる


池の底には・・・・


ちょっとびっくりした少年の目に映ったのは

そうそうグリーンドラゴンのたったちゃん

以前ならナメクジになって池の底にいたけど

もはやその必要もなく
ありのままの姿に満足げにドクロを巻く

ギラギラした目の中にも落ち着き払った光
身体はグリーンレインボーに輝いているのだから普通じゃない


少年を見つけるとさほど驚きもせず
かといって拒絶もしない


少年はひとまわりたったちゃんの周りを巡ると池の端にあがってきた


いいもの観たよ

ありがとう


そう
よかった

じゃあね

またいつでもどうぞ


微笑む少年はどこに行くのか


また日常ともいうべき世界に挑むのか

じゃあまたね・・・





それでわたしはりりを探すのだ

そして老子だというおじーさんも



むこうの丘の近くまでいってみよう

あまり観たことがないような植物が一面

青緑の絨毯


明日はここはどうなっているか・・・


てくてく歩くよ

飛ばずに歩くよ


風を感じてね


木々のざわめき

ここはまだ春?夏?


空も穏やかに青緑なんだよね・・・・


丘の麓の小さな岩場

人影見つけた



続く



2017-11-20

りりの庭~次元上昇 その4



少年は爽やかな笑顔だがまだ動こうとしない

なぜかわからにけれどそれでいい


好きなだけいていいのよ


ありがとう

ところでこれどうする?

少年の手のひらには小さなでも虹色に輝くオパールの原石


おおおおお!美しいわ☆


そうねぇ
この新しい池に入れてみましょうか?

巨大化した私たちはまた新しい?庭の中にいた


柔らかなペールグリーン

時々青みがかった空気がそれを揺らす

夕方には豊かな明るいバラ色の霧がかかり不思議な風景を演出してくれている


そうか

今までの庭が変わったのね・・・・

昔の庭もとても懐かしいし素敵だったのだけど

ここも素敵ね


少年は微笑みながら黙って手の中のオパールの小石を池の中に静かに沈めた


オパールタンブルも静かにゆっくり沈んでゆく
ときどきふわふわしている

新しい水になじむようにそして溶け出すように



みるみる池の様子も変容していく


はぁ
やっぱり

これでいいのね

時々水面にオパールのレインボーが浮かび漂う


君 君

ここに浸ってみたら?

うん

迷うことなく少年は池の中にそのままゆったり漂う


ふーーーーーーん
いいね!

明るい笑顔が庭いっぱいに広がる


ふふふ

いい調子ね
りりちゃん!


りりはまだ現れない

少し歩いて探してみようかしら

あの老人もきっとまだ近くにいるに違いないもの


つづく





2017-11-19

りりの庭~次元上昇 その3



とほほほほ

りりや

わたしのりり


少年はさほど深刻そうな様子はしない

なんでかしらん?どこ吹く風でどこか遠くを観ている・・・

そりゃそうだ彼は旅すがらちょっと傷を癒やしに寄っただけ
そろそろ出かける頃かもしれない

宇宙のどこに行くのかしらん?

いい日が続きますように

使命を果たす

そんなまなざし




むむ

何やら遠くからまた何かがやってきた


ああああ!

あの甲冑老人だわ☆

でももう甲冑は着ていない
白い衣を簡易にまとってまるで今度は仙人だわーーーー


プラチナの輝く鎧はなくその代わり真っ白な長髪と髭


まるで老子だ


まるでとはなんだ

わたしは老子だ


え?

そうでしたか

安堵の感覚・・・ほう


そ それでりりは?

ほほう

あの子はここに変わらずおるのだよ

ちょっと生身の存在ではないのだからタイムラグを要したのだ

りりに必要だったの?

いいや違うあんたにだわい

そうであろう?考えてご覧なさい



そうね
そうだちょっと恐怖を感じたために連れ去られたと勘違いしたのね・・・・


それでそのりりちゃんはどこかしらん?


むへへへへ


老人の陰に潜むいつもの声

そしてそれを聞いたかと思うと今度は少し遠くから現れた

ペールグリーンの光をまとうもう少し大人になった少女の姿



これももしかしてりり?

そうよ


どうしてかわかる?一足飛びに女神的な成熟女性の姿も一度くらい見たことがあったでしょう?

その間にいる何人ものりり

多次元のりり


知恵の泉と宇宙愛
地球では観られないような完全なる存在


続く

2017-11-18

りりの庭~次元上昇 その2



おおお!りり!

どこに行ったの?

最近相手してあげてなかったからかしら?
こうもあっさりと連れ去られてしまうとは!!


馬に乗ったあの甲冑の者はあまりにも金属の輝きが眩しくて・・・
そうまるでよくよく磨かれたプラチナのよう

それでも思い出されるのは老人だったということ

全くの躊躇なく連れ去った


ああ、悪い者には観えなかった?!そんな気もしてきた・・・・


後悔(なにを後悔?)の念が胸に湧きかけ・・・


すると唖然としていた少年が笑顔になった

遠いところを見ているなぜかあたりが消えていくような

いや

小さくなっているのだ

んん?

違う!

私が巨大化しているのだわーーーーー

えええ?

少年もそう

人間の形のものは巨大化している?

りりは?りりはどうなった?


みるみるあたりは相対的に小さくなり小さくなり・・・

ついにオパールの池は小さなオパールタンブルになった

なぜか少年の手のひらの上に
少年はそれを見つめているばかり

それはね・・・
池が・・・・数々の浄化と癒やしの水
君もそこについさっきまで浸っていたでしょう?

底にはグリーンドラゴンのたったちゃんがナメクジみたいに縮こまって住んでいたのに・・・


庭の奥には学校もあったのよ
そして碧いクリスタルの山脈も


続く



2017-11-17

りりの庭~次元上昇 その1


長年親しんだ庭か・・・ついに!

ああ瓦解していくのか・・・


大袈裟ねーーーーーーーーーーー

次元上昇しただけでしょうーーーー

むしろ喜んでよね☆


ははは。。。

そうでした~




りりちゃんこのごろ大人しいね


んん?いつもどおりだよん☆

オパールの池に少年がたたずんだり座り込んだり・・・・

そんな情景が続く

それでねちょっと静かにしているんだもんもんもんもん!

は、そうでしたか


少年は少しだけ落ち込んでいるけどこちらに気づくと笑顔になる


池に足を浸したり何なら中に入って温泉気分になったり

さらに水中に潜ってダイビングしたり

お好きにどうぞ☆

オパール池はいろいろ浄化もするし修復も手伝ってくれるのよ!!!

少年は笑顔で聞いている

ときどきちょっとだけ寂しそう


ふーーーーーーーん

まぁ好きなだけいてくださいな


池の中にはたったちゃんもいるしね

好奇心が湧いたら覗いてみてよ

たったちゃん?

ふふふそれは見てのお楽しみ☆



おおお

なんだか遠くから馬にまたがった騎士がくるよ!
これは初めてだ

えええ?ここに良くないものは入ってこれない庭全体が一つの結界なのだから

なのに馬にまたがって武装している

ピカピカ光った鎧そして剣も持っているぞ

りりちゃん!気をつけて!


あーーーーーーーーー!!!

りりが!かっさらわれた!!!

なぜゆえ抵抗しない?

胸の奥がチクンと痛んだ


続く





2017-11-11

2017年11月11日


懐かしい1111

どれほどの期待を背負っているのか


それでも1111はくるのだ


翼を折ったのも1111だと気づく者はこれは不吉と言うだろうか

ネガティブな出来事で再スタートをきる者とそうでない者とを比較する者を許さない