2016-02-06

りりの庭~蛇女~待合室番外編

もうすぐチョコの日だねぇ

楽しみだなーー❤

りりちゃん 何が楽しみなの?

そりゃあ チョコを食べることでしょーーーーー♪

ははは・・・




エレベーターのドアが開く


いらっしゃーい!

どなた?


あっらー!!!

あんたなの


なんでまたこんなところまで?


やっと離れたっていうのに!



ドアが開いて突っ立っているのは女


さっさと入れば?とも言えないほど女の目の焦点がはっきりしない


風貌はそんなに昔と変わらない気がするけど


ここに来た人はみな魂が素直に見えてくる


ここは異次元装置の部屋


エレベーターに乗ってやってくる人々を

観る
観る
観るよ

っていうところ


ある者は笑顔で

ある者は神妙な顔立ちで


みなそれぞれの魂の思いに駆られている


それなのに・・・・

あなたはどう?


上っ面の皮一枚って感じよ!


透明になっているので中身がよく見える

でも見えない・・・


そう

魂が・・・


こんなことってあるのかしら?

この世に確かに彼女は生きている

肉体があった



今ここに突っ立っている女は誰なのか


中に入れるわけにはいかない


ふとそう感じる


恐怖なのか

確信なのか


そんな時は内なる賢者にお頼み申す



そら現れた

私のエネルギー体の中心近いやや左側だ


君は光の存在か?

念のために認証する


そうだ

ポーカーフェイスが少しだけ緩む



しわがれたような声かと思えばそうでもない
透き通るような低音

そして風情は老人だ



ところで今目の前にきたこの女性はどうなっているの?

長くともに過ごした経験がある
そして正直苦い思いもした


彼女はあっけらかんとして一定のリズムのなかで薄ら笑いを浮かべている
そうかと思うとけらけら顎を上げて笑い出す

気持ち悪い・・・


なんですかね・・・?
この方


あんたが会いたがっていただろうだから来たのだ


ああ
確かに

納得のいかないことが多々あったのでね

なぜゆえ嘘八百ならべているのに周辺はそれを放置ししつづけたのか

そして間違って信じる人間までいたのか


私には一目瞭然であったこの人の嘘は

性質(たち)が悪くめぐり


遂にはこの女を一定の地位にまでを昇り詰めさせた


今の世の中はまだまだそんななのかと思うと

残念で腹が立つし悔しい気分にもなる

この女の「役割」は何か知りたかった


けれども来たのはいいけど

肝心の魂が見えない・・・


おっと

もしや


私の手はそう思うよりも素早く伸びて

その女の肝付近を捉えた

そして見えないけど掴んでみる


鷲掴みだ

だって見えないから


そしたら・・・・


・・・・掴めた!

この感触は・・・痛くもかゆくもないが気色がいいものではない


グイッと絞める

絞め上げる

それでいいと直感がいう


すると変化し始めた


!!

こやつ蛇だ


白くなった


白蛇?


いやいやそんなはずはないことは

ハジメッカラワカッテイル


さらに絞め上げる


すると今度は黒っぽく柔らかい枝振りのようになり

そしてさらに腐りかけて萎えた草のようになり

そして消え入りそうになってきた


賢者はそのまま静観している


嘘はついてよいものと悪いものがある


あなたの嘘は後者だったわね


影響は大きかった

組織ひとつを巻き込んでいる


なぜゆえ?


そのとき私のもう一方の腕が伸び

まるで豪奢な武士のようにその女の首をつかんだ


なんと!


そうだ肝が黒蛇ならこの身体はただの空の入れ物


あなたは何がしたかったのだ?

一応聞いてみる

すると

ーあたしのしたいこと


なぜ嘘をついた?

ーあたしがしたかったから


へらへらっと答える

もはや力なくぺらんとした身体のフレームがいっそうぺらりと薄くなっている


一定のところに昇りつめたこの女は

今が一番タノシイ

誰も逆らわない



そして・・・ここに来た

ここに来たのはその終焉



肝の蛇は私の手の中で息も絶え絶え


入れ物ももういらないだろう


あなたは光の存在か?


ダメだしをする


すると


空っぽの身体の口先に蛇の頭が覗いている

・・・このまま帰る・・・・

つぶやきは本物のようだった


そう

それもいいだろう


その姿なら正体は誰が見ても明らか



一皮むけたあなたを披露しに下界にお帰りなさい



この女はドアの向こうに立ったまま

そして床が抜け落ち

深いというより広範に広がるこの世のどこかに

降りて行った


普通は上に行かないと普通に帰れないのだが

もともとが普通でない(人の魂でない)から

そうなったのだ


賢者と自分の声が重なる


一呼吸つき私も目覚める




ああ

りりちゃん

わたしにお茶一杯


あいよー❤

チョコもね☆☆

何の日だろうねぇ