zzzz
ナメクジのように縮こまったグリーンレインボー色のたったちゃん
まるで冬眠しているかのよう
何事もない平和なオパール色の池の底
適度に暖かく
柔らかな水
と
そこへ
進撃するかのように真っ逆さまにに水底目指して泳いでくる
少し長めの黒髪が水に揺れる
白い肌と長い睫毛の黒い瞳
やや
ぬくぬくしていたたったちゃんも自分が龍だと思い出す
瞬間
池の底が大きくかき回され太い龍の尾が旋回する
驚いたのは美しいおじさんだ
逃げようにももう遅い
びっくり仰天のおじさんは慌てて水面をめざす
そこへ一瞬でたったちゃんのレインボーグリーンの鱗に包まれた頭が追いつく
おじさんはそのままたったちゃんのゴツゴツ頭の上に乗せられた
叫ぶ間もなくものすごい勢いで水面を突き抜けた
猛スピードで池の上に現れた美しいおじさんの黒髪はざっぷり顔全体を覆った
オパール色に輝く水はおじさんとたったちゃんの鱗を滝のように流れ落ちる
きゃーーーー久しぶり!!
元気にしてた?たったちゃん!!
りりが大喜びで飛び上がってはしゃぐ
おうさ
せっかく安眠していたのにこやつに起こされたぞ
えへへそのおじさんは新しい住人だよ
森に入りたいみたいだからさ
まずたったちゃんにも会わなくちゃね
おうそうか
ふん
と巨大な眼をギョロギョロさせながら快く(おそらく)返事をする
美しいおじさんは髪から服からキラキラ水で一層美しくキラキラしながら
ただただ呆然とするばかり
おじさん!
これからなんかあったらあたしやこのたったちゃんを呼んでね
他にも紹介したいけどとりあえずね
へ? ほ、他にも?
やけにキラキラ美しすぎるおじさんの固まった表情がさらなる驚きにゆがむ