2020-06-30

三日月の夜



三日月の夜

彼方にそびえる山の端に

沈む月の行方をながめる

金と銀と

去る人の面影は

時の遅きに果てる


時の狭間に落ち込んだ天使

人にも妖精にもなれない


爪を研ぐ嵐の終わりに

鳴き声だけが木霊して

夜明けを待つ