何という空の高さ涼しげな青
水のように流れる風の心地よいことといったら!
こんな朝にはだれかが死ぬ
いつか見た空
感じた空気
ひんやりとしながらも離れがたい芳しい花木の香り
漂う風の波に芳しさはその花の種類を幾重にも重ねている
開きかけた土のふくらみ
新たな芽生えはすでに始まり光の方向を見定めている
ああすべては生き返り
復活のシンフォニーを奏でているというのに
鳥は可愛らしいさえずりを持ってダンスする
終の伴侶を信じて疑わぬ小鳥のハーモニー
同じ枝を交互に渡りいつものルートを遊ぶ
ああすべては光の中で満ち満ちてその生を謳歌しているというのに
なぜこのような朝に限って死ぬのか
このような朝にはこれと全きの正反対の世界が広がっているのだ
次元を異にして
死は迎えるものの上にこうした朝をもたらし
それと気づかぬ者はこの朝に繰り広げられた輝かしい幸福を満喫しようとする
次の晩に永遠ともいえる涙にくれるとも知らずに