2025-06-29

三日月の晩に

 

三日月の晩に


真夏の静けさに出会う


百鬼夜行もこの晩は静かだ

むしろ静かすぎる


路地に腰を下ろしたのは

火事場にいた餓鬼の忘れ物か


生暖かく夜霧のような湿気が見えずとも漂うこの晩に


ほどけるものは解いておこうぞ