2024-12-03

焼け跡

 燃えたぎる炎の中のように

あたりはカビのような古びた匂いが漂う

まだあの者は思い出さずにいるのだ

自らの今居る場所がどんなところか

思い出させてくれる扉も羽もない

そのまま埋もれてしまうのか

遥か遠くの宇宙の藻屑にさえなれない


焼け爛れ宇宙の風から取り残されたその地獄に繋がれることを自ら選ぼうとは