闇夜の祭り

 

闇夜なのに

けたたましい音が鳴り響く

これは闇夜の祭り

賑わいは盆の祭りのよう

しかし

屋台も

櫓もない

店だなに並ぶ玩具もない

賑わいの中に子どもらしい声も

よく聞くと大人の声も

ない

あるのは

獣の姿に身を変えた

異形なるものの奇声と

ただ暴れ回る踊り

騒ぎのための騒ぎ

不気味な音に掻き消されて何かが始まる

7月の月

 

大人しくしているかと思ったら

エネルギーを蓄えていた

静かに

じっ息を潜めて

そして確実に

水面に映るその姿

小さな波紋に揺らぐとき

月はそれに気づく者を探している