2021-11-29

りりの庭~ルビーの水 その1

 

池の畔

穏やかな光

そろそろ夕日に染まる

小さな沢をいつもより少ない水が落ちる

一粒の水玉に宿る光の証


水面に映るりりの顔

とその次には素足を出して

池に容赦なく突っ込む

パシャパシャパシャ・・・


あーーやれやれ

りりちゃんや

あなたはどーしてそーなるの?!



へへへ

だってさこれからオパールの池の水の色が変るんだよ!


えっと・・・池の色が変る?!

だってだってオパール色だよ

七色だよ

虹色だよ

すべての色がここにあるのに

いったい

なんの不測があるというの?


ふふん

オパールにも色のトーンがあるでしょ~

これからこれから

オレンジのオパールになるの

うーーーんそして赤く赤く燃えるようなオパールになるの


それでも七色の虹がちゃんといるよ


どーして?永年ミルキーなオパール色だったのに・・・・


それはね・・・

あそこの大きな木の根元に坐っている少年にね・・・



ああ

そうだった

ここにはあの少年がいた

なぜかいた


そしていつも穏やかに優しくそしてどこか寂しく

どこか哲学的に

なんだか瞑想するように

そこにいつも坐っているのよね・・・


いつまでもいていい

好きなだけいていい


今もそれに変わりない



つづく