ここはパラダイス
飯の心配が無いところ
どうーしてかって?
ひとりのはらグロさは
やがて二人の腹黒さへ
二人の腹黒さは
遂には10人の闇の完成へ
わかったかい?
ここはわしらの餌の自動生産工場なのさ
学校が聞いて呆れるだろう?
ふふふ
おっと
それはわしらのせいじゃない
あやつ等の魂の業なのさ
そーかいそーかい
よーーーーくわかったわい
りりや
これりりや
いったいどこで遊んでおる?
はーーーーーーーーーーーーーーい
ここ!
今ね
たくさん踊って
歌って
そんで図書館のせんせーーとおしゃべりしてた
おもしろい本があるんだよ
庭の本
豪華な庭
自然な庭
りりの庭もこんなお花植えようかな?
ありゃま
そこは光が満ちている
なんでかな・・・・?
みんながほっとして
素になって
捜し物に集中している所・・・
まぁ そんならりりはそこにまだいておくれ
そしてわたしが蒔いたエネルギーが届いたら増幅しながらガードしておくれ
あいよ!お安い御用!やったー!これは久しぶりのお祭りかなーー?
ぴーんと起ち上がる満面の笑みのりり
じゃあいくよ
ほれ透明なふくろうさまのお出ましじゃ
りりばーちゃんが見上げて天を仰ぐ
白い髪が白く燃えるようにたなびく
そして深呼吸・・・
すると
どこからともなく巨大な梟(ふくろう)が現われ
鋭い目つきをしながら空を覆い尽くすような翼を広げる
しかもその姿はなんとも言えないほど透明なのだ
そこに集う普通の人々にどうやってその姿を認めることができるだろう
それが観える者はりりやりりの庭に住む者だけ
これはミカエルの化身か
鋭い爪
まっすぐ真っ逆さまに急降下してくる全身に纏うエネルギーは
光り輝く稲妻か
羽ばたくたびに唸るように光が注ぐ
閃光がたちどころに校庭や校舎の各階を駆け巡る・・・
おっと誰かが階段で転んだ
落ちる
また実験室でも何かか破裂したような音が
それでもそこに居る人間には聴えない
りりは図書館からまっすぐ校門のほうへ向かってエネルギーを増幅させる
ときどき
きゃっきゃと飛び跳ねて
2階の職員ばかりが集まるフロアは一見何事もないように穏やかだ
そこへ小さな物音が
小さな水晶のフクロウが反応する
――ふふ遠い昔そこに置いたことがあるのさ
水晶のフクロウのフレームはまだ残っていたようだ――
だがその小さな物音に誰ひとり気づかない
巨大フクロウの放ったエネルギーが水晶を基点に放射状に広がっていく・・・
虫に侵され魂を売り渡した者どもは何も気づかない
ただ無性に不安になる
どこからともなく訪れる後悔の念
罪悪感
果てしない無価値感
それこそがあやつらの業
誰かのせいにしてきた
誰かの足をひっぱり続けた
八つ当たりしてきた
それが生きる術だと勘違いしてきた
この光の中
そして
虫たちは・・・