地上9階地下3階
ふーーん 学校にしては高層だねぇ
どれどれ問題のある人間はこっちの階か
部屋の真ん中に螺旋階段がある
ふふん
このままじゃこやつらが”螺旋”を昇っても何も変らんだろうのう
ふむふむ
ふむふむ・・・
りりばーちゃんはまるで箱庭の蓋をはずして眞上から覗き込んでいるような格好になっている
でかい眼が睨んでいても
誰も気づかない
おっと
虫のほうが気づきはじめた
哀れな人間のたかりついて真っ黒い煙のようなエネルギーを貪っている
夢中になって貪っている
が
気づきはじめた
おい ばーさん!
そこでなにを見ている?
食事の邪魔せんでくれ
虫にも長老がいらしい
ふん
お前等にはこのわたしが見えるのかい?
なのにこの人間どもは誰も気づかんとはねぇ
まともならふと気づくはずだよ
なんとなく気配とかねぇ
”虫の知らせ”ってやつでさぁ
こやつらは重症じゃな
黒い虫のみなさんはどうしてここにこんなに集っておるのだ?
ははーー横取りされちゃかなわん
ここは大事な餌場
とっとと消えてくれ
ふん
りりばーさんはサラッと受け流す
そして続ける
ここは餌場かいな
ならそいつらの家にまで行けば良い
一晩中
食事にありつけるというもんさ
虫はそれぞれわいいわいがやがや
貪りながら笑っている
そりゃそうだ
そのとおり
でもな・・・