2015-06-22

オレンジの光


観音がたたずむように

観ていることは可能か


人知れず懐かしみ
悲しみ
喜び

慈悲の中の慈悲


木々の香りする道筋を

ひとり歩けば

やってくる足音とも

追いかけてくる足音ともとれない


大らかに壮大に空のようにこちらを眺める存在


ひときわ響く何かを感じたら

観音の眼差しと思おう



2015-06-15

門たる山


地上からそこを癒す最後の目的地は

下北のはずれ

死する者が集まると言われる場所

しかしそこは生命で満ち溢れている

三途の川を渡るものはいない


吹きすさぶ嵐にも似た風は

遠い別の大陸からやってくる


さながらベルベットをまとった馬のように


蹄がその土に触れたとき

一声泣くのを聴くだろう

その声が止むよりも前に

そこに届くエネルギーを南に送るがいい


涙の川が滝になり海にそそぐ

根こそぎ毟り取られてもなお傍観している者を今度こそ捕える


2015-06-07

真実を決める



途切れそうになったかに感じたエネルギーは

そうではなくでだんだん軽くキャッチできるようになっているらしい

なんだなんだ
心配したじゃないか


細胞の隅々まで浸しておくれ



それは満月から始まったらしい


空模様をまた観察しますか


何から何まで明かされるというけど

真実はひとつ?

おーそうでもないらしい


あなたの真実は何か

決めてくださいとのことですよ








2015-06-03

梅雨の満月



不思議な月が近づいてくる

赤ら顔の酔いどれたシャツ

いやいやひとたび直視したら

火傷しそうな太陽の化身ともとれる怪しい光

静かだ

ひたすらしずかに向かってくる


恐れず迎え入れよ

するとなにか違う道の端が観えるだろう

移り気な思い人を扱うように

傍を離れるな


なだらかな斜面を流れるは別空間からのメッセージ